【導入編】エアアシストツールについて、自作
○エアアシストとは
エアアシストとはレーザーの照射箇所に同時に空気を吹付け、煙や炎の影響を軽減する事を言います。
レーザーカッターは簡単に言えば素材をレーザーで焼くということです。
そのため加工時には煙や炎が上がりますので、それらが加工精度に悪影響を及ぼす可能性があります。
5mm以上の木材を切断するためには今回購入の10Wレーザーの出力をMAXにして、それなりに時間をかけて加工しますのでがっつりと炎が出ます。
前の記事で上げたテスト刻印の画像を再掲しますが、この文字も周りや枠外が黒くなっているのは前述の燃焼が広がり、広範囲を焼いてしまっているためです。
このような想定外の焦げ付きを防止するために効果的なのがエアアシストです。
これの有無でレーザー刻印の精度や切断可能な木材の厚さにまで影響がでます。
○3Dプリンターでエアアシストノズル作成
NEJEには公式のエアアシストツールがありません。(調べきれていないだけであるかもしれませんが)
そのため別の作者がNEJE用に作成されているツールを買うか、汎用のものを買うか、自作するかの選択となります。
しかし前者は真鍮で作られたやたらと高額なものであったり、汎用品は実際にNEJEに取り付けできるのか不安といった問題点もあります。
もちろんエアアシストなしでも十分な加工は可能ですし、ついてしまった焦げ付きなどはアルコールで拭けば大部分は綺麗にできます。
ですが、実際に燃えている加工現場を目の当たりにするとエアアシスト、やはり欲しくなります。
はい、ハニカムテーブル、排気ボックスに続き、またしても自作の道を選んでしまいました。
とはいっても探せばあるもので、NEJE用のエアアシストノズルの3Dデータを公開してくださっている稀有な方がおられますので、そちらを使用させていただきました。
3Dプリンタは一般的にstlファイルという3D形状を表現するファイル形式のものを出力します。
stlとは3Dモデルの表面(サーフェス)を三角形に分割して、その座標をテキストベースのファイルにしたものです。
私は大学時代に数値流体解析をしており、ちょうどこのstlファイルを使用していて抵抗がありませんでした。
どんな経験でもどこで活きてくるか分からないものですね。
このデータは以下のようにレーザーモジュールに本来ついている赤いアクリル板と交換する形で取り付けます。
そのstlデータをダウンロードし、3Dプリンタのレンタルサービスに駆け込みます。
レンタルできる場所は時間制の工作室やCAINZの工房などがあります。
私はCAINZでレンタルしたのですが、3Dプリンタを置いている店舗はかなり限られている上に人気店(幕張店)だと予約が全く取れない状況でした。
さらに現在調べると店舗数はさらに減少しているようですね。幕張店も予約に3Dプリンタの項目がなくなっていました。
私がお借りしたCAINZ茂原店も伺ったちょうど月末にサービスを終了するとのことで、ご好意で店員さんがほぼ付きっきりで対応してくださいました。
料金は1時間700円で材料費込です。
今回は37分で1個の出力が完了しましたので、2個めは間に合いませんでした。小さいながらに意外と時間がかかりますね。
また精度はいまいちで、帰ってから大きくヤスリがけする必要がありました。
あとはこれに水槽用のエアポンプや何かしら送風する機器をチューブで接続すれば完成です。
私はエアポンプ2台をつなげて使用していますが、正直風量不足を感じます。
趣味程度では十分ですが、使い方によってはまだ炎が出て、上の写真のようにノズルを焦がしてしまいます。
そのうち2つ目のノズルを作りに行こうかと思っていますので、余裕があれば最初から複数個作っておくと良いですね。